キャリアは職業経験の意味で、実は主に5つの構成要素から成り立っていることをご存知ですか？ キャリアの構成要素とは、「スキル・経験」「転職履歴」「年齢」「人柄・価値観」「トレンド」です。
なんとなくキャリアという言葉を使っているけど、いまいち意味がわからない……。
転職市場でキャリアが大事と言われるが、具体的にどういうことか知りたい……。
キャリアアップを図るために、いったい何をしたらいいのか教えてほしい……。
あなたもこのように思ったことはありませんか？
本記事では、まずキャリアの定義を紹介し、次にキャリアの5つの構成要素を説明し、最後に5つの構成要素の対策についてお伝えします。
「キャリア」の意味とは
キャリア（career）のざっくりとした意味は、職業経験・職業経歴になります。
以下、もう少し深掘りして、厚生労働省・文部科学省・『デジタル大辞泉』（小学館の辞書）の定義をご紹介しますね。
・厚生労働省の定義
「キャリア」とは、過去から将来の長期にわたる職務経験やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖を指すものです。「職業生涯」や「職務経歴」などと訳されます。引用元：厚生労働省
・文部科学省の定義
人が、生涯の中で様々な役割を果たす過程で、自らの役割の価値や自分と役割との関係を見いだしていく連なりや積み重ねが、「キャリア」の意味するところである。引用元：文部科学省
・小学館の『デジタル大辞泉』の定義
職業・技能上の経験。経歴。引用元：Weblio辞書
この3つの定義の共通点は、職業経験というプロセスの意味が含まれていることです。単なる仕事というよりも、経歴といった“時間的な概念”が含まれていることがわかります。
このキャリアという言葉は、主に転職活動をしているとよく使われますよね。では、転職市場における魅力的なキャリアとは、いったいどんなものなのでしょうか。
「魅力的なキャリア」を構成する5つの要素
転職市場における「魅力的なキャリア」は、主に5つの要素で成り立っていると考えられ、これらから総合的に判断されます。その構成要素とは、「スキル・経験」「転職履歴」「年齢」「人柄・価値観」「トレンド」です。では、5つの構成要素について、詳しく説明していきましょう。
魅力的なキャリアの構成要素①：スキル・経験
転職市場で評価されるスキルとは、たとえばプログラミングができたり、ビッグデータ分析ができたり、Illustrator・Photoshopが使えたりすることです。そして転職市場で評価される経験は、海外に長期滞在して働いたことがあったり、プロジェクトリーダーを務めていたりといったことになります。
魅力的なキャリアの構成要素②：転職履歴
転職履歴とは、これまで何回転職して、どんな会社のどんな業務に携わってきたかということ。たとえばA社の人事部で大学・大学院生の採用窓口や面接官の仕事に3年間従事、その後B社で研修を通じた人材育成の仕事にステップアップしてきたなどになります。もし3回も4回も転職をしていたら、採用担当者としてもすぐに辞めないか心配になるでしょう。
魅力的なキャリアの構成要素③：年齢
転職市場において、年齢もキャリアの一部として判断されます。若ければ若いほど有利になるのが一般的です。30歳をすぎてくると、大きな取り柄がないと年齢がマイナスに評価されることが多くなります。ましてや35歳をすぎると、よほど高度な専門スキルなどを持ち合わせていないと、転職は難しいでしょう。
魅力的なキャリアの構成要素④：人柄・価値観
人柄はいろんな要素を含みますが、たとえば誠実さ・熱意・ストレス耐性などです。誠実で人当たりがよければ、お客さんと長期的にうまく関係を築いていけそうだと、採用担当者も思うでしょう。そして価値観とは、その求職者が何を重視しているかです。成長なのか、お金なのか、はたまたワークライフバランスなのかといった具合になります。
魅力的なキャリアの構成要素⑤：トレンド
将来性のある業界で働いていたり、需要のある知識を持っていたりすると有利です。現在の日本では、ITエンジニアやデータサイエンティストなどのデジタル人材が不足しています。このような需要に対して供給の少ない仕事をすれば、自ずと人材としての価値も向上するという論理です。
この5つは数ある評価項目の中でも、特に大切なものです。キャリアアップ転職を目指しているのであれば、できるかぎり点数を上げる努力をしましょう。
「キャリアアップ転職」をするための5つの対策
さて続いて、先ほど挙げた5つの要素をそれぞれ高めていく具体策をご紹介しましょう。基本的に、これがキャリアアップ転職に有効な手立てになります。
①スキル・経験対策：自分の目標に合ったスキルや経験を蓄積
どんなスキルや経験を身につけるかの前に、まずは目標ありきです。なぜなら何を目標にしているかで、身につけるものが大きく異なるからです。もしリモートワークで時間や場所にとらわれない働き方がしたいのであれば、プログラミングやWebデザインといったIT系のスキルを身につけるというふうに考えていきます。目標も立てずに、やみくもに学習するのは得策とは言えません。
②転職履歴対策：やたら転職しない＆転職理由をしっかり言語化
評価される転職履歴をつくる方法は、大きく2つあります。1つは、やたらと転職を繰り返さないことです。転職回数が3回、4回、5回と増えれば増えるほど、印象が悪くなってしまいます。もう1つは、転職した理由をしっかり言語化して、面接で答えられるようにすること。確固とした軸のもと転職してきたのであれば、評価される傾向があります。
③年齢対策：若いうちにキャリアプランを考えて行動
人生で一番若いのは「今」です。そのためキャリアプランを人生の早い段階で考えて行動するのが賢いやり方です。注意点として、焦って転職しようということではありません。たとえば1年後までに転職しようと決めて、具体的に行動することが大切です。いつか転職しようと思っても、具体的にいつまでにやるか決めないと、結局何もしないまま時間が過ぎてしまいます。
④人柄・価値観対策：理想の人物の言動を模倣
人柄や価値観を磨くには、理想の人物を見つけて、その人と一緒に時間を過ごしたり、その人の良い言動を模倣してみたりすると良いでしょう。あるいは何かに挑戦して自分に自信が持てるようにしたり、自分は何を大切にしたいのかノートに書き出してみたりするのも有効な手法です。
⑤トレンド対策：時代の流れに合った人材に
普段から情報にアンテナをはり、できるだけ時代の流れに乗るようにしましょう。最近はDX（デジタルトランスフォーメーション）・デジタル化がトレンドなので、それに合わせて自分を磨き、自分をデジタルに強い人材として売り込んでいくといった具合です。
まとめ
キャリア形成にはスキル・経験、転職履歴、年齢、人柄・価値観、トレンドの5つの要素が重要です。これらを総合的に高めることが、転職市場で魅力的なキャリアを築く鍵となります。目標設定から始め、無計画な転職は避け、若いうちからのキャリアプランの立案、理想の人物の模倣や時代の流れを捉えた自己成長が求められます。あなたのキャリアを充実させるためにも、今から一つひとつの要素に着実に取り組んでみましょう。
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