システムエンジニアの仕事をしていると、経営コンサルタントの仕事をなかなかイメージできず、自分は本当に他職種に転職できるのか、疑問に思ってしまうのではないでしょうか?
そこで今回は、エンジニアから経営コンサルタントへの転職を検討している方に向けて、主に3つの内容についてお伝えします。
- 経営コンサルタントという職種・仕事内容
- エンジニアからコンサルタントに転職できる理由
- 近年のDX化が追い風になって、チャンスが多くなっている背景
コンサルタントへの道は簡単とは言えませんが、決して不可能な話ではないことをご理解いただければと思います。
経営コンサルタントとは?
経営コンサルタントとは、クライアントの経営にまつわるコンサルティングを行う職業です。経営はもちろんのこと、戦略・システム・人事などの問題点を発見し、解決策を提案していきます。
ひとくちにコンサルタントと言っても、専門分野によって、職種の呼び方はさまざまです。
- 経営全般を専門に扱うなら、経営コンサルタント
- 戦略を専門に扱うなら、戦略コンサルタント
- ITを専門に扱うなら、ITコンサルタント
- 人事を専門に扱うなら、人事コンサルタント
コンサルタントの勤務先は、コンサルティングファーム(consulting firm)が一般的です。ファーム(firm)は会社という意味なので、コンサルティング会社とも言い換えられます。主に企業に専門的な助言を行う会社になります。
そして、このコンサルティングファームも、種類はさまざま。下記のように、何系のコンサルティングファームなのかによって、所属するコンサルタントも変わってきます。
- 総合系コンサルティングファームは、経営コンサルタントが多い
- 戦略系コンサルティングファームは、戦略コンサルタントが多い
- IT系コンサルティングファームは、ITコンサルタントが多い
- 人材系コンサルティングファームは、人事コンサルタントが多い
そのほかにも、特定の企業の顧問として所属することもあります。たとえばコンサルティングファームで働いていて、そのコンサルティング先の会社に、転職してしまうケースもあるようです。
このように経営コンサルタントは、経営全般を取り扱うコンサルタントであり、主に総合系コンサルティングファームに勤務することになります。そして自身の得意分野に応じて、「名乗るコンサルタントの種類」「所属する会社の種類」も変わってくるのです。
経営コンサルタントの主な仕事内容
経営コンサルタントの仕事内容は、大きく分けると「現状分析」「戦略の策定」「アクションプランの策定」の3つになります。それぞれ詳しく説明していきましょう。
1.現状分析
まずは現状分析を行い、クライアントが抱えている問題点を洗い出します。例えるなら、企業経営における健康診断を行うようなイメージです。
最初は、企業から売上・財務・KPIなど経営にまつわるデータをもらい、分析することから始めます。しかしデータだけでは、机上の空論に陥ってしまいがち。そのため経営陣や従業員へのヒアリングも合わせて行うことになります。そのなかで、たとえば従業員が評価制度に不満を抱え、労働意欲を失っているといった、数値として現れにくい問題も把握していくのです。
このように数値化できるものと数値化できないものの両面から調査・分析を実施することで、問題点がより明確になっていきます。
2.戦略の策定
クライアントの課題が明確になったら、解決策を考え、どういった戦略をとるべきか提案することになります。
たとえばプロモーション施策が全然足りていないのであれば、広告・SEO・SNSにまつわる施策を提案するといった具合です。早急にインターネット広告を打ったほうがいいときは、Google・Yahoo!・You Tube・LINE・Facebook・Instagram広告のうち、どれが貴社にあっているか見極めて、アドバイスをするケースも考えられます。あるいは、中長期的に立て直しを図ろうと考えるなら、WebメディアのSEO記事やSNS運営に注力する提案をするなど多角的に考えていくのです。
こうしてクライアントに戦略をいくつか提示し、解決の方向性を決めていきます。
3.アクションプランの策定
戦略が決まったら、それを実行していくことになります。コンサルタントの仕事は、何をどうやってやるかというアクションプランを立てることです。策定したプランを実行に移すのは、基本的にクライアント側。コンサルタント自身が、現場でアクションプランを実行するケースもないわけではありませんが、どちらかと言えば少ないでしょう。
しかしクライアントの要望によっては、実行を担うことも。たとえばITに詳しくないので、軌道に乗るまで手伝うケースも考えられるのです。もしインターネット広告を自社で完結する戦略をとるのであれば、最初だけ一緒にやる伴走型コンサルティングを提供することもあります。
ただ繰り返しになりますが、基本はアクションプランの策定までになります。
エンジニアならITコンサルタントに転職できる
エンジニアからコンサルタントの道を切り拓くことは可能です。その場合は、経営コンサルタントというより、ITコンサルタントになる人のほうが多いでしょう。システムエンジニア(SE)からITコンサルタントになるケースが比較的多いようです。
先ほど経営コンサルタントの仕事内容を紹介しましたが、ITコンサルタントの場合、ITテクノロジーの視点から経営改善を試みようとします。ここにエンジニア出身ならではの強みを発揮できるのです。たとえばシステムで日々の業務をもっと自動化できないかと考えたときに、経営の専門家よりITの専門家のほうが有利になります。そのためエンジニアからITコンサルタントに転職可能と言えるのです。
そして、ITコンサルタントは、上流工程の仕事になるため収入は大幅に増加するケースが多いです。
たとえばエンジニアは、基本的にクライアントのニーズからシステム設計を考えます。これに対して、ITコンサルタントは、クライアントが抱える経営上の問題を見て、その解決のための視点からシステムの設計を考えることになります。つまりITコンサルタントのほうが、高い視点で考えることになるのです。
このようにエンジニアはIT関連に精通しているため、ITコンサルタントへの転職は十分可能で、大幅な給料アップが見込めます。
DX推進でITコンサルタントの需要が急増
近年、ITコンサルタントの需要は、大きく高まっています。もし現在エンジニアの仕事をしているのであれば、ITコンサルタントに転身するというチャンスが、いまの時代多いのです。
その背景には、新型コロナウイルスの感染拡大によってテレワークせざるを得ない状況になり、政府や企業がDXを大きく推し進めたことが挙げられます。
DXとは、「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略で、直訳すると「デジタル変容」「デジタル変換」といった意味です。わかりやすく言うと、「あらゆるものデジタル技術を活用して、人々の生活をよりよいものに変革する」という主旨になります。
2020年頃から始まった類を見ないデジタル化・DX化の流れは、2022年になっても留まることを知らず、加速しているのは明らかでしょう。DXニュースなどで、毎日のように「新規ITツールの提供開始」「既存ITツールの機能追加」が発表されています。そしてITツールが多様化すれば、何をどうやって使いこなせばいいかという悩みも出てきます。
そうしたITにまつわる問題解決のプロフェッショナルとして、ITコンサルタントは頼りにされており、今後ますます必要とされる職種になると予測されます。
まとめ:エンジニアからITコンサルタントを目指すのが現実的
エンジニアから経営コンサルタントになるのは、決して不可能ではありません。
なかでもITコンサルタントを目指すのが、最も現実的な選択肢になります。ITコンサルタントは、IT部門を専門に扱う経営コンサルタントのようなイメージです。
近年のDX化の流れが、追い風になっており、ITコンサルタントに転職するチャンスは確実に増えています。「ITコンサルティングをやってみたい!」とお考えの方は、ぜひ挑戦してみてくださいね。
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