初めての業務委託でも怖くない!悪質な案件を見抜くコツと、よくあるトラブル回避術

初めての業務委託でも、仕組みや対策を知っておけば、不安や恐怖を軽減できます。もし怖いと感じるとしたら、「トラブルのパターン」や「自分の身を守る法律・方法」を知らないことが原因かもしれません。

そこで今回は、業務委託初心者の方が知っておきたい基本情報や、トラブル回避に役立つ知識をお伝えしていきます。

目次

業務委託とは?アルバイトや正社員との違い

業務委託とは、企業に雇用されず、対等な立場で特定の業務を請け負う働き方です。基本的に働く時間や場所に縛られない働き方が可能で、「成果物の納品や業務の完了」に対して報酬が支払われます。

業務委託のメリットは、働く場所や時間を自分でコントロールしやすく、スキル次第で収入を伸ばせることです。一方のデメリットは、有給休暇や残業代がなく、自分で確定申告をする必要があることです。
また、原則として労働基準法は適用されません。

業務委託とアルバイト・正社員の大きな違いは、自由度が高い一方で、収入が不安定になりやすいことです。アルバイトや正社員のように「確実に給料がもらえる」「常に引き受ける仕事がある」とは限らないため、自己管理が求められます。

BtoB業務委託は、フリーランス新法で守られる

フリーランス新法(正式名称:フリーランス・事業者間取引適正化等法)は、業務委託取引において立場が弱くなりやすいフリーランスを保護し、取引を適正化するための法律です。

注意点として、この法律で守られる対象は、「BtoB(事業者間の業務委託取引)」です。「BtoC(一般消費者からフリーランスへの直接依頼)」は対象外となります。

また、発注者の規模(従業員を雇っているかどうか)によって、発注者が守るべき義務の範囲が異なります。 ここはトラブルを防ぐ上で非常に重要なポイントです。

発注者が「従業員を使用していない」場合(個人事業主や1人社長など)

発注者自身が従業員を雇っていない場合、適用されるルールは以下のみです。

  • 書面(またはメールやLINE等)での条件明示義務 「言った・言わない」を防ぐため、仕事内容や報酬額などを文字で残す必要があります。

発注者が「従業員を使用している」場合(企業など)

発注者が従業員を雇っている企業の場合、上記の「条件明示義務」に加えて、以下の義務が適用されます。

  • 60日以内の報酬支払い 成果物を納品した日(または業務完了日)から60日以内に報酬を100%支払う義務があり、遅延は違法です。
  • 不当なやり直しの禁止・急な契約打ち切りの禁止(※一定期間以上の取引の場合) フリーランス側に落ち度がないのに、企業側の都合で「やっぱり修正して」と無償でやり直しをさせることや、一方的に契約を解除することは禁止されています。
  • ハラスメント対策など 育児・介護との両立支援やハラスメント相談窓口の設置など、働く環境を整備する義務があります。

※つまり、発注者が「従業員のいない個人」である場合、不当なやり直しや報酬支払いの遅延があったとしても、フリーランス新法上の罰則対象にはならない可能性があるため、契約前の条件確認がより一層重要になります。

業務委託のトラブル事例あるある

BtoBの業務委託トラブルでよくある事例を3つご紹介します。

事例1.報酬の未払い・減額

フリーランス側に責任がないにもかかわらず、発注事業者が報酬を支払わないことや、あらかじめ決めた額をあとから引き下げることは、原則として禁止されています。「減額に応じないと契約を解除する」と圧力をかける行為は、違法の可能性が高いです。

事例2.度重なる修正要求

フリーランス側に落ち度がないにもかかわらず、発注者の都合で何度も無料で修正させる行為は、「不当な給付内容の変更・やり直しの禁止」に抵触する可能性が高いです。追加費用を支払わずに大幅な変更を要求されるケースは、よくあるトラブルの一つです。

事例3.偽装フリーランス

契約形式は「業務委託」でありながら、実態は「雇用(会社員)」のように、発注者の指揮命令下に置いて働かせることは違法です。業務委託契約であるにもかかわらず、「毎朝の朝礼への参加を強制される」「勤務時間やシフトを細かく指定される」といった場合は、実質的な雇用とみなされ、労働基準法違反となる可能性があります。

業務委託トラブルを予防する対策

業務委託のトラブルを未然に防ぐための対策を4つご紹介します。

対策1.業務範囲や成果物の定義を確認する

「何を、どこまでやるか」が具体的になっているかを必ずチェックします。業務内容や成果物の合格基準があいまいなまま進めると、後々トラブルになりやすいため要注意です。

対策2.修正対応の範囲・回数を確認する

無料で対応する修正範囲や、修正回数の上限(例:2回まで)を事前に取り決めておきましょう。大幅な仕様変更や上限を超える場合の「追加料金ルール」を明確にしておくと安心です。

対策3.発注元企業の評判を確認する

発注元企業の口コミをネットで調べると、その企業の体質や、外部パートナー(フリーランス)に対する扱いを推測できます。口コミサイトやクラウドソーシングサイトの評価を事前に確認しておくことをおすすめします。

対策4.必ず契約書や発注書(書面)を交わす

口約束だけで仕事を引き受けるのは大変危険です。仕事内容、報酬額、支払期日、修正回数などが明記された契約書や発注書を必ずもらうようにしましょう。メールやチャットの履歴を残すだけでも、いざという時の証拠になります。

業務委託トラブルの無料相談ができる窓口

万が一、業務委託でトラブルが起きてしまった場合は、以下の窓口で相談が可能です。

  • フリーランス・トラブル110番(厚生労働省委託事業) 弁護士などの専門家に、無料で匿名相談が可能です。電話(0120-532-110)またはメールで相談できます。
  • 労働基準監督署 「偽装フリーランス(実態が雇用である)」と疑われるような働き方を強制されている場合は、労働基準監督署への相談が有効です。

相談をする際は、証拠の収集と時系列の整理が欠かせません。トラブルの気配を感じたら、クライアントとのやり取りは電話ではなく、チャットやメールにして、文章として証拠を残すようにしましょう。

初心者の業務委託のまとめ

業務委託は会社員とは違い、自分で自分を守りながら仕事を進める必要があります。たとえば、「急ぎだから契約書は後回しで先に進めて」と言われ、会社員の感覚でそのまま作業を進めてしまうと、後々大きなトラブルに発展するかもしれません。

会社で働いていれば、失敗しても会社や上司が守ってくれる可能性が高いです。しかし、業務委託においては、自分で問題を未然に防ぎ、解決していく厳しさがあります。

こうした注意点や法律の知識をしっかり押さえた上で、初心者のうちは小さな案件から始め、徐々にステップアップしていくのが確実な道のりです。

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