わかりやすい文章を書くのが苦手……。口で説明をしても、なかなかわかってもらえない……。
これらの悩みは、PREP法という文章の型を身につけることで、改善できる可能性があります。PREP法は本当におすすめできるフレームワークで、論理的な文章の作成だけでなく、報連相などの日常会話など、さまざまなシーンに応用可能です。
「文章や口頭による説明が苦手!」と思っていましたら、ぜひこれからご紹介するPREP法を使ってみてくださいね。
PREP法(プレップ法)とは
PREP法(プレップ法)とは、下記の順番で話を伝えるフレームワークになります。
- 結論(Point)
- 理由(Reason)
- 具体例(Example)
- 結論(Point)
それぞれ頭文字が「P」「R」「E」「P」になるので、PREP法と呼ばれています。
結論は、最初と最後の合計2回伝えることになります。結論は大変重要な話なので、最後にもう1度復唱する形になっています。
この型に当てはめていくことで、誰でも簡単に「論理的な文章」を書けるようになるため、多くの方におすすめです。ただし、小説家のように論理的に伝える必要のないケースには、当てはまりません。
PREP法を使った例文
ではさっそく、PREP法を使った例文を見ていきましょう。具体的には、下記を比較していきます。
- 悪い例:PREP法で書いていない文章
- 良い例:PREP法で書いた文章
悪い例(具体例→理由→結論)
まずPREP法の順番を無視した「悪い例」から見ていきましょう。
【具体例】 たとえばリモートワークで1日の仕事のうち、メールやチャット、報告書作成をキーボード入力で3時間費やしているとします。これがもし音声入力で3倍近いスピードでこなせるようになれば、1日のキーボード入力作業が1時間で終わる計算です。その浮いた2時間は、ほかの作業に回せます。 【理由】 なぜならばキーボード入力の3倍くらいのスピードで文章が書けるようになり、仕事の生産性が上がるからです。 【結論】 以上のことから、文章作成の時間が多いリモートワーカーは、特に音声入力がおすすめです。 |
非常にわかりづらく、英語でもないのに返り読みしませんでしたか?
最初に細かい説明がなされていて、「何の話をしたいのか」という全体像がわからないまま話が進んでいます。そして具体例が終わったあとに、もっと前に説明しておくべき理由が登場します。最後にようやく「何が言いたかったのか」がわかります。
今回は具体例・理由・結論を区分けして記入していますが、通常は区分けがないので、もっとわかりづらくなるでしょう。
良い例(結論→理由→具体例→結論)
では、先の例文をPREP法にのっとった書き方に改善してみます。
【結論】 よく文章作成を行うリモートワーカーには、音声入力がおすすめです。 【理由】 なぜならばキーボード入力の3倍くらいのスピードで文章が書けるようになり、仕事の生産性が上がるからです。 【具体例】 たとえばリモートワークで1日の仕事のうち、メールやチャット、報告書作成をキーボード入力で3時間費やしているとします。これがもし音声入力で3倍近いスピードでこなせるようになれば、1日のキーボード入力作業が1時間で終わる計算です。その浮いた2時間は、ほかの作業に回せます。 【結論】 以上のことから、文章作成の時間が多いリモートワーカーは、特に音声入力がおすすめです。 |
劇的にわかりやすい文章になったと思いませんか?
冒頭一文を書き加えたこと以外、文章の中身は変えていません。ただ順番を入れ替えただけです。つまり文章を書くとき、どんな順番で伝えるかが大きなポイントなのです。
PREP法を使ったトレーニング方法
先ほど文章で伝えるケースを例に挙げましたが、PREP法は非常に汎用性が高く、報連相などの会話、採用面接、プレゼンテーションなど、さまざまなシーンで使えます。
どんなシーンでも応用できる型のようなものがあれば、PREP法を使ったトレーニングを行ううえで大変便利です。そこで、下記のような言葉をPREPそれぞれの冒頭に持ってくるテンプレートをご用意しました。
- P:結論から言いますと(結論を言うと)
- R:その理由は
- E:たとえば
- P:まとめますと(まとめると)
今回は、採用面接で志望動機を答えるケースで考えてみましょう。面接官に「なぜ弊社を志望するのですか?」と聞かれたら、下記のような答え方ができます。
【結論】 結論から言いますと、B to B中小企業向けのインターネット広告事業に、将来性があると思ったからです。 【理由】 その理由は、2つあります。 1つ目の理由としては、BtoBビジネスにおいては、中小企業であっても資金力が充実していることが見込まれ、その結果、予算を確保しやすいという点が挙げられます。もう1つの理由は、インターネット広告の領域が今後成長が期待される業界であると考えられるからです。 【具体例】 たとえば、○○の調査によると、B to B中小企業は、B to C中小企業と比べて、リスティング広告・SEO予算が△△%高いということがわかりました。法人向けの商品は、個人向け商品と比べて基本高額なので、その分予算も高くつけることが可能です。 そしてインターネット広告市場は、2020年くらいからマスコミ4媒体の合計広告費を上回り、飛ぶ鳥を落とす勢いで伸長しています。インターネット広告のインハウス化の伴走サービスも提供することも可能で、お金になりやすい傾向にあります。 【結論】 まとめますと、B to Bのインターネット広告市場に、ビジネスチャンスがあると考え、御社を志望しました。 |
このように「結論から言いますと」「その理由は」「たとえば」「まとめますと」という言葉を口ぐせのように使って話せば、特に意識せずともPREP法を使うことになります。
まずは報連相のメール・チャットといった身近なものから、PREP法を使うトレーニングを始めてみると良いでしょう。
まとめ
文章や口頭での説明に苦手意識を持っている方々へ、PREP法の紹介とその効果をお伝えしました。このシンプルで強力なフレームワークは、論理的な思考を整理し、明確なコミュニケーションを実現するための素晴らしいツールです。日常会話からビジネスシーン、さらには面接やプレゼンテーションに至るまで、幅広い状況での応用が可能です。PREP法を身につけ、練習を重ねることで、あなたの伝えたいことがよりスムーズに、そして効果的に相手に伝わるようになるでしょう。今日からこの方法を取り入れ、コミュニケーション能力の向上を目指しましょう。
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