2019年に『わたし、定時で帰ります。』というTVドラマが話題になりました。このドラマには、「残業をしたくない」「定時退社したい」というビジネスパーソンたちの胸の内が表れていたのでしょう。
とはいえ、「定時になったので、帰らせていただきます」と堂々と言うのは、なかなか難しいものです。残業が多い会社から抜け出すために、何かできることはないのでしょうか。
今回は「残業がない会社に転職したい」と考えている方に向けて、定時退社できる仕事と会社の特徴をそれぞれ3つずつご紹介します。
残業は義務ではない
初めに知っておきたい原則があります。
残業は義務ではありません。残業を拒否することも可能です。つまり、転職を考える前に、やろうと思えば定時退社できる可能性はあるということです。
もちろん就業規則で残業命令に従う義務がある場合は、残業を断ることはできません。ケースバイケースで断れないこともあるかもしれませんが、基本的には定時退社する権利はあり、それを主張することができます。残業を拒否して定時退社を実現するという選択肢も頭の片隅に置いておきましょう。
とはいえ、「クビになるかもしれない」「左遷されるかもしれない」といった恐れの気持ちから、なかなか口に出せないのが本音でしょう。その他にも、さまざまな軋轢を生む可能性があるため、残業のない、あるいは少ない会社に転職するのが手っ取り早い選択肢です。
では、定時退社できる仕事や会社には、どんなものがあるのでしょうか。
残業ほぼなし!定時退社しやすい仕事3選
最初に注意点として、残業が0時間を条件にしてしまうと、応募できる会社が極端に少なくなってしまいます。そのため「残業ほぼなし」の仕事も視野に入れるのがおすすめです。例えば求人票に残業時間が月10時間以下と書かれていたら、許容範囲とみなしても良いでしょう。
さて本題に戻ります。定時退社しやすい仕事を見分けるには、「定時退社しやすい仕事の特徴」に該当することがポイントです。以下、3つの特徴をご紹介します。
定時退社しやすい仕事[1] 営業終了時間がある業務
営業終了時間が決まっていると、早く退勤しやすくなります。例えば、販売員の仕事はお店が閉まると業務ができなくなります。会社の受付業務も同様に、営業時間外には仕事ができません。
反対に、営業時間が定められていない仕事は残業が発生しやすいです。例えばテレビ局、新聞社、出版社などのマスコミ業界は、残業が多いと言われています。営業時間外でも業務ができてしまう仕事は避けたほうが良いでしょう。
定時退社しやすい仕事[2] 予想外の仕事が少ないルーティンワーク
同じようなルーティーンを淡々とこなす仕事は、残業が発生しにくい 傾向があります。例えば事務員や経理担当の仕事は、忙しさの波が小さいでしょう。
逆に、クライアントから急な仕事が舞い込みやすい仕事は避けるのがおすすめです。例えば人材業界では、クライアントに「人手不足で早急に人員を確保したい」と言われることが多く、残業をする必要性が高まります。
定時退社しやすい仕事[3] 非正規社員の業務
派遣社員やアルバイトなどの非正規雇用で働けば、基本的に定時に帰れます。正社員のような重いノルマや責任を課せられることはほとんどありません。仮に残業を頼まれたとしても、比較的簡単に断れます。
その反面、ボーナスが支給されなかったり、雇止めのリスクがあったりします。つまり、定時退社できるが他の条件は悪くなるというトレードオフです。どちらを選択するかは個人の判断によります。
残業ほぼなし!定時退社しやすい会社の特徴3選
今度は「定時退社しやすい会社の特徴」について紹介します。残業がない会社に転職したいと思っている方は、次の3つの特徴がある会社を選びましょう。
定時退社しやすい会社の特徴[1] 3年後離職率が低い(平均は30%前後)
いくら求人票に残業がほとんどないと記載されていても、いざ入社してみると残業が多かったということもよくあります。求人票の嘘には特に注意が必要です。
見分けるポイントとして、やましいところがなければ、会社の離職率は低くなる傾向があります。東洋経済新報社の『就職四季報』には「3年後離職率」が掲載されています。3年後離職率は平均30%前後なので、20%以下であれば安心でしょう。もし載っていなかったら、口コミサイトを見たり、転職サイトや転職エージェントに問い合わせたりするのがおすすめです。
定時退社しやすい会社の特徴[2] 美辞麗句を言わない
求人票や説明会できれいな言葉がたくさん使われていたら、ブラック企業の可能性もあります。例えば「やりがいがある」「あなたの夢が叶う」「若手も活躍している」といった言葉です。このような抽象的表現や精神論を書くことで、会社の実態をごまかしている可能性があります。
もし「何を言っているのか、さっぱりわからない」「なんか怪しいぞ」と思ったら、避けるのが無難です。特に切羽詰まっていると、「どこでもいいから転職したい!」という気持ちが先行してしまいがちです。そんなときこそ「なんかおかしいな……」という違和感を無視しないでください。
定時退社しやすい会社の特徴[3] 労働条件が曖昧でない
ブラック企業は労働条件を曖昧にする傾向があります。「なんかはっきりしないな……」と思ったら、面接や電話で労働条件を直接聞いてみるのもおすすめです。例えば「月間の残業時間はどれくらいありますか?」と質問して、歯切れの悪い回答になったら、何か隠しているのかもしれません。
もし労働条件に曖昧な点があったら、質問してはっきりさせておきましょう。何も不都合なことがなければ、ちゃんと答えてくれるはずです。
まとめ:残業が嫌なら、定時退社できる会社に転職しよう
「定時で帰りたい」という願いは多くのビジネスパーソンが持つものですが、実際にそれを実現するのは簡単ではありません。この記事では、残業を減らすための具体的なアプローチとして、残業の少ない仕事や会社の選び方に焦点を当てました。
求職者の皆さんが定時退社を重視する場合、営業時間が固定された業務、予想外の仕事が少ないルーティンワーク、非正規雇用の職を検討することが有効です。また、残業が少ない会社の特徴として、3年後の離職率が低いこと、誇大広告をしないこと、労働条件が明確であることが挙げられます。転職活動では、これらの点を念頭に置き、実際の労働環境を見極めることが重要です。よりバランスの取れた働き方を目指し、自分に合った環境を選びましょう。
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