面接の際、「人を見た目で判断するのはおかしい」と思ったことはないでしょうか。しかし面接では、動作や身だしなみ、コミュニケーションの取り方など見える範囲も、重要な判断ポイントになってきます。
見切りのプロだとしても、目に見えない部分を見抜くのは至難の業です。そのため、見えるものに目が向かうため、基本マナーができているかいないかも重要な判断材料になってくるのです。
そこで今回のテーマは、面接のマナー。面接前、面接時、面接後など、項目ごとに分けてご紹介していきます!
面接前のマナー
まずは、面接まで時間があるときのマナー対策をご紹介します。おすすめなのは、企業の基本情報をしっかり把握し、身だしなみを整えることです。以下にて詳しく見ていきましょう。
企業の基本情報の把握
ホームページや求人票で得られる情報は把握しておくようにしましょう。
例えば、面接官が一生懸命書いた自分の履歴書・エントリーシートを事前に読まず、同じ質問をしてきたらどうでしょうか。「自分に興味を持ってくれてないんだ…」と、いい気持ちはしないはずです。
それと同じように、面接時、ホームページや採用サイトに記載されている内容の話で会話ができないと、「うちの会社に本当に興味があるの?」と不信感を抱かせてしまったり、再度1から説明する時間をとらせてしまうなど失礼にあたります。そのような事態を招かないためには、調べれば出てくる情報は、できる限り把握しておきましょう。該当ページを印刷して、マーカーなどを引いたり、思ったことを書き込んでいくことで、頭に入りやすくなりますよ。
身だしなみ
メラビアンの法則によると、人の第一印象は、見た目などの視覚情報が55%、声などの聴覚情報が38%、話の中身などの言語情報が7%影響するそうです。つまり、見た目が与える影響は、大変大きいのです。そのため、服装、髪型、カバン、爪、アクセサリーなどの見た目に気を配ることが大切になります。それぞれ順番に解説しましょう。
清潔感を意識した服装
清潔感を出すための服装対策としてできることは2点。状況別に見ていきましょう。
- お金や時間に余裕がない場合
スーツ、ワイシャツのしわをクリーニングやアイロンでなくすことです。特に時間に余裕がない方におすすめなのは、クリーニングを出すこと。新品のようにきれいなクリーニングされたものを身につけると、気持ちも刷新されますよ。
- お金や時間に余裕がある場合
ジャストサイズのスーツ、ワイシャツを新調してしまうことも手です。少し大きめのものは、だらしがなく見え、小さすぎたり、細身すぎたりすると、窮屈そうで貫禄もなくなってしまいます。それに対して、ジャストサイズのものを着ると、洗練されている印象を与えることができます。
清潔感のある髪型
髪型の基本は、顔に髪がかからないこと。特に注意すべきは前髪です。面接の最中に、前髪が目にかかって、髪を直すというしぐさは、あまり良い印象を与えません。その対策として、女性の場合、髪を結んだり、髪留めを使って固定してしまうのがおすすめです。男性の場合は、整髪料で髪が顔にかからないようにセットする、あるいは、思い切って髪を短くしてしまうといいでしょう。
自立するバッグを使う
バッグは自立するものを選ぶのがおすすめ。面接をしているときに、途中でバッグが傾いて倒れたりすると、ぎこちない印象を与えてしまいます。そのため、自立しない柔らかい素材のバッグは、なるべく避けましょう。自立するバッグなら、手に取る動作も、きびきびとしていて、しっかりした印象を与えることができます。
爪
爪が伸びていたり、派手なネイルが施されている場合は、印象を下げる可能性があります。特に男性の場合は手のひらを自分から見たときに爪がはみ出ないくらいの長さにしましょう。女性の場合でネイルをする場合は清潔感のある薄いピンクやベージュなどナチュラルなカラーにしましょう。
アクセサリー
女性の場合は、華やかなイメージになるため、ワンポイントネックレスを身につけるのもおすすめ。ただし、さりげないものに限ります。具体的には、チェーンは細く、アクセント部分は小ぶりなものです。もちろん、何もつけないのもOK。男性の場合は、腕時計を除いてすべて外すのが基本です。
面接直前のマナー
続いて、面接前日・面接直前のマナーについて説明します。
面接の詳細確認
面接前日あるいは前々日には、面接当日の詳細をしっかり確認しておくのが大事です。場所、日時、アクセス方法、持ち物などをしっかり確認しておきましょう。例えば、持ち物を間違えたり忘れたりしてしまうと、面接官に限られた時間を割いていただいているのに失礼にあたります。そのようなトラブルを避けるために、事前に面接情報を確認しておくのがマナーです。
電子機器の電源はマナーモード・OFFに
スマートフォンの電源を切るか、音も振動も出ないマナーモードや機内モードに設定しておきましょう。時間を確認するのは、腕時計がおすすめです。もしあなたが面接官だとして、応募者が「まだかな、まだかな…」と、スマートフォンでちらちら時間を確認していたらどう思いますか?なんだか印象が悪いですよね。しかし腕時計だったら、何の違和感も抱かないでしょう。時計選びの基準としては、ゴールドの派手な腕時計より、シルバーの落ち着いた感じの腕時計がおすすめです。
面接会場での入室マナー
面接会場に入る際は、ノックと着席がマナーのポイントになります。
3回ノックして入室する
面接が行なわれる部屋の前に来たら、「コン、コン、コン」と、ドアを3回軽くノックします。2回ノックは、トイレのノックと同じなので、3回がいいでしょう。ノックをして、面接官から「どうぞ」という応答があったら、大きな声で「失礼いたします」と言って、ドアを開けます。小さな声だと自信なさげに見えてしまうことがあるので、元気よく第一声を発しましょう。
勝手に着席しない
面接会場に入って、早々勝手に椅子に座らないようにしましょう。着席方法は2つあります。
- 面接官に「どうぞ」と言われるまで待つ
- 自分から「座ってもよろしいでしょうか」と尋ねる
基本的には、面接官に「どうぞ」と言われるまで待ちましょう。ただ子どものように指示を待って、ぼさっと立っているのもスマートではありません。そんなときは、自分から「座ってもよろしいでしょうか」と一言聞いて、面接官に許可を得たうえで着席するといいでしょう。やや高度なテクニックになりますが、面接官をリードしていくという手法もあります。
面接中のマナー
面接が始まったら、大切になるのはしっかり目を見て話すこと、そして姿勢を正すことです。
しっかり目を見て話す
たまに、うつむいて話したりする人がいます。面接官が目を合わせて話をしてくれているのに、目を合わせないのは失礼に当たります。もし、目を合わせるのが苦手であれば、ネクタイあたりを見るなどして、全く別の方向は見ないようにしましょう。まっすぐ目を見て話す応募者と下を向いて話す応募者がいたら、目を見て話す応募者のほうが自信があるように見えてしまいます。人の目を見て話す習慣がない方は、友達とご飯を食べるときなど、日常生活で目を見る練習をするといいでしょう。
姿勢を正しくする
椅子の背もたれは利用しないようにしましょう。なぜなら、面接官に大きな態度をとっている印象を与えてしまい失礼にあたります。反対に背筋を正して座ると、礼儀正しく誠意を感じてもらえます。事前に鏡で自分の座り方を確認して、好印象な座り方を体得しましょう。
面接会場退室のマナー
面接会場退室のマナーとしては、椅子から立ってお辞儀をすることです。忙しい中時間を割いて、ありがとうございますという感謝の気持ちを込めて「本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました」と伝え、お辞儀をしてから面接会場を後にするようにしましょう。
面接終了後のマナー
面接が終わっても、すぐに気を抜かないようにしましょう。面接が終わるやいなや、スーツを脱いで、ネクタイを緩める人もいますが、それはやめておいたほうがいいでしょう。なぜなら、ほかの社員さんたちも見ており、報告されてしまう可能性があるからです。社員さんとすれ違うときは、会釈やあいさつなどをすると好印象です。会社の中、あるいは会社周辺にいるときは、気を抜かないように注意しましょう。
まとめ
面接の際は、見た目や振る舞いが評価の大きな要素となります。事前の準備として企業情報の把握や身だしなみの整え方、面接直前の行動、面接中のコミュニケーションの取り方、そして面接後の行動に至るまで、細部にわたるマナーが求められます。面接官の前で自信を持って行動するためにも、事前に準備し、面接の場ではしっかりとした姿勢を保つことが大切です。また、面接終了後も会社の近くにいる間はプロフェッショナルな態度を忘れずに。これらのマナーを守ることで、面接官に良い印象を与え、成功への一歩を踏み出しましょう。
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